こんにちは、アートフラワーギフト専門店「メリアルーム」のコンシェルジュ木村です。メリアルームでは、プロポーズ・記念日・誕生日プレゼントに贈るフラワーギフト専門の会社です。
ずっと枯れずに飾れるアートフラワーを使用し、花にサプライズ&感動の仕掛けを込めてハンドメイドで制作、自社インターネットサイトで販売し、東京から全国へお届けしております。
前回のスタッフインタビュー【商品企画編~第1回:赤バラ製ローズベアー誕生の裏側!】に続き、今回もメリアルームギフト誕生の要である《サプライズ&感動の仕掛け》を生み出すデザイナー集団「商品企画チーム」にインタビューしました!
プロポーズ・結婚式・結婚10周年記念日などの“大きな節目”や“絆が深まる日”に、オススメのフラワーギフト「メッセージローズベアー」についてご紹介中です。
今回のインタビューでは、ローズベアーの制作方法・手順・技術などについて、制作のポイントや愛を吹き込んでいる想いなどもお伝えさせていただきます。どうぞ最後までお読みください♪
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第1回「赤バラ製ローズベアー誕生の裏側!」
第2回「大公開!300輪以上のミニバラがベアーになるまで」←今ココ
第3回「テディベアの贈り方」
第4回「テディベアのプレゼント演出はどうやって生まれた?-スタッフ体験談を紹介-」
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メリアルームのフラワーギフトの中で“最長の制作時間”を要する「メッセージローズベアー」ですが、商品化まで長い期間をかけてリニューアルを繰り返し、2016年の11月に発売が開始されました。
装飾や使用している花材が最も少なく、“ミニバラのみ”を贅沢に“300輪以上”使用している商品です。そのため、ミニバラのちょっとしたバランスや絶妙な違和感に気が付けるか…センスも必要とされるフラワーギフトです。
第1回インタビューのおさらいとして、300輪以上のミニバラが施された「メッセージローズベアー」は、納得のいく仕上がりまで幾度となく試作を繰り返し誕生しました。時間をかけた理由は、妥協できないこだわった3つのポイントです。
1.サプライズ性とインパクト
2.アートフラワー製のテディベア
3.メリアルーム特注のミニバラ
そして、第2回のインタビューでは、こだわりのミニバラがどのようにテディベアーへ仕上がるのかについて、詳しくご紹介させていただきます☆
▼バラ製テディベア・ローズベアーの制作について、森田さん今回もよろしくお願いします!さっそくですが、どのような制作手順でローズベアーが制作されていくのか、教えてください!
—–よろしくお願いいたします!ローズベアーの制作手順は、大きく分けて「5工程」になります。
1.ミニバラ検品
2.バラ挿し
3.組み立て
4.装飾
5.完成品の検品
工程数としては少なそうに思えますが、一つ一つの作業時間が長くどれも集中力を要する作業が多いです。
第二弾のプロポーズ専用ギフト・LoveBook(ラブブック)では、細かなこだわりが詰まった花を彩る装飾品についてご紹介していますが、今回のローズベアーは“細かなハンドメイド手順と方法”、そして機械生産では出来ない命の吹き込み“ローズベアーから溢れる愛しさ”について、たっぷりお伝えします。
▼ありがとうございます!私も今回のインタビューを心待ちにしていました☆
ローズベアーは、限られたスタッフしか制作が出来ないとメリアルーム内でも言われています。制作する上で大切にしていることは何ですか?
—–ローズベアーを制作するうえで、一番重要なのは「顔」です。ローズベアーをプレゼントされた時、「あ、テディベアだ!」と認識してもらうのは、愛らしいクマの顔が鍵になります。私たちが誰かと初めて会う時と同じですよね。第一印象って、とても大事です。
私たちは“一目惚れ”をしてもらえるローズベアーを目指し、日々制作をしています♪
また、その次に「ボディバランス(スタイル)」が重要になるため、この2つを意識しています。「一目惚れする顔」「ボディバランス」の2つのクオリティを維持する秘訣は、ローズベアーの生みの親である私が作った制作マニュアルです。
制作マニュアルとは、手や足など体のパーツ毎に使用するミニバラの本数、守るべき手順、気を付けるポイント…などが載っている、教科書のようなものですね。私がこのマニュアルを完成させるまで、とても時間がかかり苦労をしました…。
花に限らず、「職人」と呼ばれる人たちは、一般的に、師匠の技を目で見て盗み、感覚で作る・・みたいなところがあると思います。しかしそれだけでは、メリアルームのローズベアーの場合、その人それぞれの個性がクマの顔やボディラインに強く出てしまう。
更に300輪以上のバラを使ったハンドメイド品だからこそ、熟練の花職人でも、微妙なバランスのブレが発生してしまいます。
教科書があっても、難易度の高いフラワーギフトであることには違い無いのですが、このマニュアルを元に、ローズベアー制作の花職人たちが何度も練習し・私が修正し・また練習し…と繰り返し鍛錬してきた事で、クオリティの維持は格段に上がりました。
▼私もローズベアーに、一目惚れをした1人です♥ぬいぐるみのようで、そうでない。でも“かわいい”がしっかり伝わる不思議な魅力があります!それでは、先ほど教えていただいた制作手順を、1工程ずつ詳しく掘り下げていきたいと思います。
—–そういってもらえて嬉しいです!第1回でお話しした「テディベア(ぬいぐるみ)」から派生したローズベアーは、“ぬいぐるみ”であり第一印象の“顔”が大事であると、先ほどお伝えしました。
・・・が、メリアルーム流のテディベアには「目・鼻・口」などの“顔パーツ”が、一切ありません。不思議に感じている部分は、おそらくココだと思いますよ。
私がローズベアーを仕上げていく過程で、オールハンドメイドの中に人工的なパーツが入ると、ベアーが作り上げている“体のやわらかい曲線”やミニバラで造られた“顔の表情”が失われることに気が付きました。
この魅力が無くなってしまうと“メリアルームのテディベア”として不完全であるため、パーツに頼らずに愛嬌をミニバラで表現する工程は、高い技術を要求されますがやりがいがあります。
次に、各手順それぞれで大切にしているポイントをお伝えしますね。
手順1.ミニバラ検品
はじめに、ミニバラを手・足・耳・胴体・顔の5つのパーツに仕分けます。
ローズベアー1体に使用するミニバラは「300輪以上」と大量のため、予め各パーツ分のミニバラを選定しておき、より綺麗に仕上がるようにしています。
ミニバラの仕分けでは「バラの検品」も同時に行っています。このミニバラは専門工場にてメリアルーム用にオリジナルでハンドメイドされています!
そのため、個体差・花びらの重なり方・接合部分などにおいて、ローズベアーの基準を満たせないミニバラがどうしても混在してしまいます。そのようなミニバラが混ざらないよう、検品をしながら分けています。
手順2.バラ挿し
つぎに、メインとなる“バラ挿し”をしていきます。
このミニバラを挿していく作業が、ローズベアー制作時間の半分を占めています…!300輪以上のミニバラを耳→手→足→胴体→顔の順番で挿していきます。
要となる「顔」にとりかかる前に、小さなパーツから始めていくのがコツです。耳が出来上がれば顔へ、手足が出来上がれば胴体へ…とローズベアー完成までのイメージをしながら挿せるので、上記の順番でバラ挿しをしていくのが、一番異例によく制作が出来るポイントです。
各パーツを難易度に分けると以下のようになります!
難易度☆☆★:耳・胴体
「耳」の制作は、手足以上に「対象」でないと顔が台無しになります。たった“5mm”違う場所に挿したことでズレが生じてくるパーツになります。
「胴体」の制作で気を付けるポイントは、「お腹・お尻」です。よく見ていただくと、赤ちゃんのようにふんわりと曲線を描きながらミニバラが並んでいます。このちょっとした“お腹の丸み”と“お尻のふくらみ”が加わることで、愛しさが倍増します♪
難易度☆★★:手・足
「手」の制作は、骨組み(土台)に挿すバランスが大事です。耳と同じくパーツが小さく制作工程も単調ではありますが、挿していく骨組みは細く繊細です。
「足」の制作ポイントは、「足裏・くびれ」です。くびれというのはお腹のことではなく、ここでは“足首のくびれ”のことを指します。テディベアは、真ん丸とした足裏から見えるキュートな肉球がポイントの一つですよね♥
そこを再現するために、足裏に丸みもたせ形を整えていくのが私たちの技術です。この丸みを完成させてからくびれを形成していくため、制作方法は“足裏からふともも”へ向かってバラ挿しをしていきます。
このくびれが美しくないと、ベアーを横から見た時に不自然な足元になってしまうので重要なポイントです。足裏を包み込むように握れば分かるのですが、キュっとくびれながら細い足が伸びているのを感じてもらえるはずです。
難易度★★★:顔
「顔」の制作が、バラ挿しパーツの中で一番難しいです。顔パーツの装飾を施さなくてもローズベアーに一目ぼれしてもらうための顔づくり…とても大変な道のりで、何度の何度もバラ挿しを繰り返しながらようやく今の顔に辿り着きました。
テディベアの表情はミニバラの凹凸だけで表現・認識させる技術を習得するまでに苦労しました。ローズベアーは、ミニバラの本数・挿しかた・バランスなどを、考え抜かれ構成されています。
これらが乱れるとクマ顔にしたいのが、キツネ顔・ネズミ顔・コアラ顔などになってしまうのです…!
メリアルーム流の表現なのですが、伝わりますかね?(笑)
顔の凹凸や輪郭の曲線の微妙な誤差で、「テディベア」という認識がブレてしまいます。
例えば、顔中心のミニバラの傾斜の付け方次第で鼻部分がとがって見えてキツネっぽく、顔の中心に大き目のミニバラが並ぶと大きな鼻のように見えコアラっぽく…
というように、微妙なふくらみだけで形成していくため誤魔化しがききません。お客様に“テディベア”である、という認識をしてもらうのは簡単ではありませんでした。
また、顔が綺麗に仕上がってもいざ胴体と合わせたとき、全体バランスがイマイチなことも多々。とても難しい工程になります。
手順3.組み立て
つづいて、バラ挿しが仕上がった各パーツを組み立てていきます。
“手順2.バラ挿し”で顔パーツの最後に少し話しましたが、各パーツが綺麗に仕上がれば組み立てても綺麗…なわけではありません。全体のバランスを見てバラの挿し直しなどをしつつ、整えながら組み立てていきます。
最後に顔を組み立てながら、ローズベアー全体のバランスを細かくチェックします。
やわらかい曲線や丸みが表現できているかを、各パーツと合わさった際にも損なわないか、耳・腕・足は左右対称なっているか・・・ミニバラの角度(向き)の修正をすることで細かな最終調整を行っています。
手順4.装飾
組み立てられぬいぐるみとなったミニバラ製のテディベアの首元にリボンを結んで装飾を施していきます。
この工程、“自分が大事にしているぬいぐるみに洋服を着せる感覚”と言うのでしょうか…。最後に可愛くお洒落をしてお客様のお手元に旅立つ、という想いで一体ずつ丁寧にリボンを結んでいます。
ローズベアーの生みの親として、愛娘を嫁がせる。というワードがピッタリな、切なさと達成感と愛しさが混じります。
きらきら輝く「ラインストーンデコレーション」をカスタマイズするお客様のクマには、このタイミングで装飾を行います。ラインストーンの数は「200粒」です!手作業で一粒ずつ付けていくので、1時間ほどかかります。
米粒よりも小さなストーンですが、細かなカットが入っているので見る位置によってキラキラと輝きます。小さなストーンを決められた数で、いかに綺麗に完成させるかも技術の一つです。
手順5.検品
最後に、ローズベアーがお客様の元で心から喜んでもらい、長く楽しんでもらえるようチェック(検品)をします。
各手順を終えた後にも細かくチェックを行っていますが、これが最後です。最終検品では、特に周囲して確認するところが3つあります。
①ミニバラ同士の間…バラ同士に隙間がないか?また窮屈過ぎてないか?
②固定の状態…各ボディパーツの固定の耐久性をチェック
③手足の動き…命があるかのように、手足が優しく動くかチェック
アートフラワー(造花)製で枯れることがないため、長くお客様の手元で楽しんでいただくことになります。
“ギュっと”抱きしめる、“手足を握る”というシチュエーションが出てくる時の為に、この全ての工程をクリアできなければ、途中修正が何度も入り作り直しをしています。そのほかにも、ローズベアーの座り方や傾きなどチェック項目が何点もありますが…
私たちは、第一印象が「かわいい♥」を目指して制作を心がけています。
メリアルームのアートフラワーギフトは、ベルベット素材の赤バラで高級感がグッと引き立つスタイリッシュなアイテムが多いです。
ローズベアーも赤バラを使用していますが、「格好いい・綺麗」という言葉よりも「愛嬌」のある表情を追及して制作しているため、「かわいい」と思っていただけるのがゴールです。
私たちが一目見て思わず口から漏れる「かわいい♥」は、このような技術とこだわりから計算して作り上げた愛らしさなのですね!森田さん、どうもありがとうございました。
今回は、メッセージローズベアーの制作と可愛く見せる方法について詳しく伺いました♪細かい制作方法を知る機会は滅多にないので貴重なお話が聞けて良かったです!
ミニバラしか使用していないからこそ、挿し方・バランス・角度など、細かい所まで検品や修正を重ねて生まれるローズベアー。なぜ、こんなに愛らしい姿をまとっているのか解明できました☆
次回は、300輪以上のメッセージローズベアーを、どのようにしてプレゼントを贈るのがときめくのか。演出方法やメリアルームのフラワーコンシェルジュが対応してきたお客様エピソードについてをご紹介します。どうぞお楽しみに♥